結局、「2016卒採用」とはなんだったのか。
自分が行ってきた研究とそこで得られたデータをもとに、この時点で僕なりにまとめると・・・・・
①インターンシップへの時間・金銭的な投資、ナビサイトに掲載する広告量(料)、
採用スタッフ人数など採用に投下されるリソース配分、それから面接回数やその時期など、
既存の採用フロー内部でのマイナー修正が起こった一方で、
②採用活動のフロー、使用されるツール、設定される人材像や採用基準など、
採用フローそのものについては、多くの企業がこれまでと同じやり方を継続させた、
③ただ一部の企業からは、これまでとは全く違った、採用フローやツール等を導入する
「新しい採用」が生まれた、
④しかし「新しい採用」の全てが革新的であったわけではなく、むしろ「新しい採用を
打ち出すこと」そのものが、一種の流行として広がる、その最初の年になった
・・・・・ということになるかと思います。
パンドラの箱を開けた時、最後に残ったのは「希望」だったらしいですが、
16卒採用が残したのは「希望」と「一抹の不安」だったように思います。
各社が「同質性の高い競争」という均衡から抜け出そうと、趣向を凝らして、それによって
「新しい採用」の芽がではじめたことは「希望」。
ただ、それによって生まれてきた「新しい採用」の中身は、思いの外似てしまっているということ、
つまり会社が同時に同じような「新しさ」を打ち出してしまったということも、また事実。
「均衡から抜け出そうとみんなが必死に動き出し、皮肉にも別種の均衡へと走り急いで行く」
なんてことにならないといいけれど・・・・これが「一抹の不安」です。
杞憂であればと、願います。
最後に、すくなくとも現時点(2015/12/8)で、まだ16卒採用はまだ終わっていないことを
強調しておきます。
まだまだ頑張っている企業、学生がいることを、強調しておきます。